はじめに
2023年GW前半、4月29日→30日の日程でけいはんなオープンイノベーションセンター、にて行われた Maker Faire Kyotoに参加してまいりましたのでレポートいたします。
ハッシュタグは #MFKyoto2023
がメインで、こちらからも会場の様子をみることができます。
奇しくも同日、東京ではニコニコ超会議が行われていたり、浅草橋の技研ベースではMIDI3と言われる電子楽器によるものづくりイベントが行われていたりと各地にものづくり熱量が高い中での開催でした。
(直後の開催になった例大祭でもMakerプロダクトが見られたり…テクノロジーxコスプレなど激アツです。)
※ちなみにニコニコ技術部から派生したNT(NicoTech)は北陸でイベントが行なわれており、これまた尖ったものづくりが見られておすすめです。
スペース色々
今回は普段エンジニアカフェをご利用の利用者の方々を始め、他のコミュニティマネージャーもプライベートで参加していたりと福岡からの遠征勢も多かったです。
もちろん出展者も!
エンジニアカフェで作戦会議をされていて、製作途中のプロダクトをいつも見せてくださったネクストステップさんのブース。MIDIの信号からLEDの色を変えたりするアイキャッチの他、製品の展示なども行われていました。
エンジニアカフェで毎週作戦会議をされていて、プロトタイプを見せていただくたびにワクワクしていました。
また、ありがたいことに他の知り合いの参加者から「こういうの面白かったよ!」「〇〇はもう見た?好きでしょ?」と沢山お声掛け頂いたおかげでかなり迷わずにいろんなものづくりに触れられたと多います。
今回のMakerFaireKyotoはいくつか性質があると思っています。
1.親子連れが多い
けいはんなイノベーションセンターという車が必要な場所でもあり、家族でお越しの方もおられ、子供も楽しめる施策も随所に見られました。
北陸のヒーローことヒゲキタさんの様に全年齢が楽しめるプロダクトをお持ちだったり、親子で参加しやすい企画、疲れたときに休憩しやすいスペース、比較的バリアフリーな館内等も親子での出展につながっていました。
会場地図。休憩スペースでお弁当を売っていました。
普段技術イベントを催す側の視点として驚愕したのは、いわゆるエンジニアの『外』の層にも多くリーチしていたことです。
普段SNSなどでリーチする層以外にも催しを知ってもらうことはかなり集客を頑張らないと実現できず、行政からのお便りや適切な広告など、O’Reillyおよび、行政の関係部署、Makerの方々三者の努力で実現した規模だったのだなと会場入りして改めて思いました。
MakerFaireBus 黒板になっていて書き込んだり乗車してゆったりできる上に実際に走行します
全年齢対象のブースも決して「こどもだまし」ではありません!ガチ工作です!
来場者も自分と同様に九州からいらっしゃった方の中には「阪九フェリーで来ました」というツワモノも複数人…。
※会場には駐車場がない、との事前の案内があったことで参加を敬遠する声がSNSでは見られましたが、実際には近隣に十分な台数止められる駐車場が併設されていたようです。
※バスの本数が新祝園からそれなりにあるのでバスで親子で向かう方もいらっしゃいましたが、かなり窮屈になるので小さいお子さんと乗るのは大変そうな感じでした。二日目は臨時便が運行していた模様です。
2.周辺地域からの町おこし出展など
京都市精華郡を含む「けいはんな」地域はその名の通り、京都市・大阪市・奈良市へのアクセスが担保された学術都市で今後も発展が見込まれる場所です。
(環境によってうまく地図が表示されていない場合は大きい地図をご覧ください)
地域の林業や木工、ものづくりが盛んである土地柄でもあり、地域からの出展が一階の目立つ場所で行われて居て、立ち寄りやすかったです。
ニワトリが元気いっぱい!
開催地へのリスペクト、および開催地側からの参加がアツい!!
出展されている方も、MakerFaireTokyoには出展されない方(=ここでしか展示が見られない方)が近畿一円から集まる他、先述のヒゲキタさんのように北陸からいらっしゃる方、名古屋はじめ中部地域、中四国、九州からと幅広く出展されている様子でした。
ヒゲキタブースの謎装置とシロちゃん
特に京都や大阪には工学系にとどまらずものづくりについて学べる大学も多く、学生の方が出展されていたり、学内、あるいは地域Fabの運営関係者も多く集まっていました。
京都市内でも民間のMaker GarageやUmekoji MArKEt、FabCafe京都、ファブビレッジ京北などが盛り上がっているみたいで、福岡も負けていられないなと思う一方で、
Maker Spaceとしての顔を持つ福岡市エンジニアカフェとしてはぜひ連携していきたい所存です。
3.企業 (toB toC問わず)の出展も多い。
近畿圏および西日本にも高い技術力を以てプロダクト作成を行っているメーカーさんが沢山あり、企業出展ブースもありました。
SONYのSPRESENSEやSeeed社など企業の中の人からお話を伺うことができます。
素人である我々が「最先端だ!」と思う技術も専門家からすると実はすでに枯れている(=十分に安定して時間が経っている)例などもあり、日本の技術を支えている一端を垣間見ることができます。
指向性があり超薄型のスピーカーを病院向けなどに製作されているライトイアーさんのブース (https://right-ear.com/web2021/index.html) 予想以上の快適さにゆったりしている筆者
存外ものづくりの街は日本中に偏在していて、ものづくりでの町おこしなどには再現性があるのかも知れません。
平素コミュニティマネジメントを生業とする我々の役割としてはそれをいかにして周知していくか、ものづくりの楽しさに出会っていない人をどう巻き込んでいくか、という部分にあるかも知れません。
また、周辺分野との橋渡しなどにも微力ながら力添えできればいいな、と感じました。
IPAのブースにおける釣りCPS(Cyber Physical System:サイバーフィジカルシステム)の実演 https://www.youtube.com/watch?v=q93qugqaTDQ
京都芸術大学の学内Fab発プロダクト
近年はMakerイベントに限らず即売会などのイベントにおいて、電子制御されたものづくり機器(デジファブ機器)によって製作されたプロダクトが見られるようになっており、
例えば「これはMDFを加工してるな!(レーザー加工)」や「ABSで整形している!!(3Dプリント)」などがわかるととてもおもしろいです。
お近くのFabスペースなどにも気軽に足を運んでみたり、あるいは通販サービスでいろいろなものを加工・製作して届けてくれるDMM.make のようなサービスもありますのでぜひ活用してみてください。
今回はこの記事を書いている田中が1日目のみの参加であったので、両日参加してもらったスタッフの宮越さんの振り返り付きです。
野良ハック(野外ものづくり)で有名なざっきーさんも発見!!なんとエンジニアカフェの会員証ストラップを見える位置にぶら下げてくださってました!!(ありがたい)
Maker FaireKyoto2023 (宮越報告)
~やりたいことやったもん勝ち~
皆様いかがお過ごしですか?
今月から新生活を迎えられた皆様も多いと
存じますがいかがお過ごしでしょうか。
私も平素エンジニアカフェにおいて色々なことにチャレンジをしていますが、今回は更に一歩進んで「コミュニティマネージャーに替わってMakerFaireを見学してリポートしてね!」という大役を担い、京都まで足を運んできました!
Makr FaireKyoto2023初参戦!!
今回初めてMakr FaireKyoto2023に参加した議事録をお伝えしていきたいと思います。
私は4/29(土)~30(日)の二日間Maker Faire Kyoto2023 に参加してまいりました。
天気は二日共に曇り模様でしたが展示場は入り口から曇天を吹き飛ばす程の皆様の活気で満ち溢れておりました。
プレゼンテーションブース
各々が興味があることや課題に感じている事を発表するブースでした。
こちらは自分がこれまでやってきた事の熱意や思いが端々と感じられ話を聴く側にも強く訴えかけるようなものがあり、また作成までの技術背景や話し方の構成などこれから伝える側になった時にどのように伝えるかそういった観点からも凄く学びの多いブースでした。
~プレゼンテーションブースで印象に残った言葉~
・楽しいからやる・好きだからやる
・なければ自分で作ってみる
本当に皆さん素晴らしいプレゼンテーションでした。
ヒゲキタさんブース
ものづくり界隈で有名なヒゲキタさんのブースでこちらは子供から大人まで大人気のブースでした。
こちらのブースは言葉では言い表せない感動があるので、こちらは是非機会があればご自身の目でその凄さを体感して頂きたいと思っております。
自律小型移動ロボットマイクロマウス
アルゴリズムを用いた探索と学習を繰り返し最短でゴールを目指す自律小型移動ロボットを作られていました。
組込みとアルゴリズムを考えるのが大好きな自分には垂涎もののブースで、自分もものづくりをやりたいと!!強く渇望させられるブースでした。
画像認識によるそろばんの計算と正誤判定
こちらの画像認識もブースも素晴らしい展示でした。
「ゆくゆくは教育の現場にも活用されていきたい」とも仰られており、今後どういった進化を遂げていくのか気になるブースでした。
CPU自作キット
精巧に組み立てられたCPUが彩りに光を放ち躍動する光景は、テクノロジーの壮大な物語をまざまざと見せつけられ感銘を受けたブースでした。
メイドロボプロトタイプ
手を握りエスコートするとこちらを見つめながら近づいてきてくれました。
この引き込まれる体験は実際に彼女たちの手を取って頂きご自身でこの感動を感じて頂きたいと思いました。
メイドロボカフェがある日常 -MaSiRo Project Prototype cafe-
機構/機巧について
趣味で重いものを持ち上げるロボットを作られたとのこと。
ロボコンで見るサイズよりも大きいものを見たことがなく、このサイズのものを精密にうごかせる技術に脱帽しました。
3Dプリンターを使ってチェスの駒を作成。3Dプリンターの無限の可能性を感じさせてくれますね。
レーザー加工機の仕組みを使って地図を描写されていました。心地よい機械音と点描が徐々に地図になっていく姿はいつまでも見ていられる作品でした。
耳寄り情報
今回のMaker FaireKyoto2023ではO’Reilly Japanが主催していることもあり、オライリー書籍が20%オフで購入出来ました。
オライリー書籍を読まれる方はこれだけでお買い得、学生の自分はつい、目を輝かせてしまいました。
〜Maker FaireKyoto2023を終えて~
「やりたいことやったもん勝ち」
冒頭でも申し上げた様にこのフレーズに今回のMaker FaireKyoto2023の全てが詰まっていた様に感じます。
私たちは何か物事を進める際の判断基準としてこれまでの自身の経験則や、或いは社会的意義であったりと、各々の判断基準に従って一度立ち止まりながらもあらゆる物事を取捨選択し日々生活されていることと思います。
それは勿論大切なことだと思いますが、しかし時としてその判断がつい足枷になってしまった経験もあったのではないでしょうか。
今やっていることが社会の役にどれほど役立つのか、意味がある事なのか、自分がやっていることに疑問や違和感を感じたり、また年を取るにつれあらゆることを経験をしたことで偏った経験則で物事を判断したり、付随して伸し掛かってくる様々な責任の中で、いつしか心の底から楽しむということを忘れてしまい、気付けば幾多の日々の雑務に追われ忙殺されているなんて経験を誰しも一度はされたことがあるのではないでしょうか。
私自身もその一人であり日々その問いに自問自答する日々を送っていましたが、今回のMaker Faireで目を輝かせながら自信に満ちた表情で楽しそうにブースを行き交う方々に自身の作品を紹介する姿は、モノづくりをする上での行動指針の原点の様なものを強く感じ自分がやりたいことを誰に気兼ねすることなくとにかくやってみる。
そして、もっと自分がやりたいと思うことをやりたいと周りの人たちに臆せず言っていいんだとそんな風に思えた大変有意義な2日間でした。
最後になりますがものづくりにだけに関わらず自分自身も何のために今この活動をやっているのか、その問いについてもし気になった方がいらっしゃれば、この熱気を感じて頂くだけでも足を運ぶ価値は十分にあると思っております。
皆様も是非一度足を運んでみてください!
最後に
今回は二人で回れたので、現地会場での体験を分担しつつ、エンジニアカフェでのお困りごとを遠隔でサポートすることもできました。
単純に、複数人でイベントに参加するのは楽しいですね!
現地でエンジニアカフェの常連の方々にもお会いできてよかったです!(なかなかご挨拶できなかった皆様すみません…)
是非またMaker Faire Tokyo2023 あるいは Maker Faire Shenzhen (※リンク先は2021年のもの) にも行きたいな〜〜と強く思ったイベントでした!
(願わくば出展も…!!!!)
昨年のTokyoのMaker Faireには私以外のコミュニティマネージャーが全員参加あるいは出展していたりと注目度が高いイベントです。(恒例のReject Conも開催される…のでしょうか?)
何より、このお祭りを中心として偶発的に発生するものづくりイベントにも注目するところで、遠征勢は長めに滞在すると良いかも。
今回もMakerFaireKyotoに合わせてM5stack販売元のM5社一同が深センより見学 + 各地のUser Meetupを訪ねて回るという催しをされてました→振り返りはこちら。
イベント参加や登壇については随時Tweetしております。
現地でエンジニアカフェのロゴのパーカーやTシャツを着たスタッフを見かけたらお気軽にお声がけください。
こういうイベントあるよ!というお誘いもぜひTwitterやDiscordまでお寄せください!
それではまた次回どこかでお会いしましょう!