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文化財×データ活用トーク イベントレポート

2023年12月9日13:00-15:00、エンジニアカフェにて開催された文化財のイベントレポートです。

文化財が文化財に来館する?!

当日は丸隈山古墳から出土された水鳥形埴輪、通称:があこがエンジニアカフェに来館しました!受付も済ませ、イベント開催30分前にはスタンバイ完了です。
があこは文化財なので壊れないよう丁重に専門の担当の方に連れてきてもらいました。

イベントスタート!と共にがあこの3Dプリント出力もスタート!

地下の3Dプリンターで出力開始し、会場では地下の様子の映像を配信しました。エンジニアカフェの前田さんより3Dプリンター出力の仕方の説明をいただきました。今回のデータは福岡市埋蔵文化財センターさんよりsketchfabにアップロードされているとのこと。そこからダウンロードして、ファイル形式を変換すればすぐ印刷開始できます。今回は実物のがあこの7分の1サイズで出力します。材料は10gで200円で作成できます。

エンジニアカフェの地下にあるメーカーズスペースでは、3Dプリンター、レーザーカッターという機器が無料でご利用できます。最初に機器の使い方など注意事項含めた講習を受けてもらいますが、それ以降はご予約の上各自で使ってもらって構いません。材料だけは各自ご準備いただくようになります。(3Dプリンターは材料費を払うという方法もあります。)

コダイトークの時間

3Dプリンター出力の待ち時間にコダイトーク開催です。今回は文化財データ活用をテーマに話しました。
趣味としての活用として、コダイプレスによる文化財を陶器、革小物など様々なグッズにしている事例の紹介。
学校での活用として、Code for Fukuokaによる元寇防塁AR体験授業事例の紹介。
そして最後は業務での活用として、福岡市史跡整備活用課による測量の話や史跡修繕依頼時の3Dデータ活用の紹介がありました。
その後は会場からのQ&Aが続き、参加者も一体となったトークでがあこの出力を待ちました。があこを連れてきた福岡市埋蔵文化財センターの松崎さんは甲冑を専門としているらしく、なぜ甲冑?との問いに、甲冑は細かなパーツからなっており、出土時はバラバラで見つかる。それを自分がなんとかしなくちゃと思って思いが強くなってきたとのことでした。専門家さんならではで皆さんこだわりがありそうです。

があこ(ミニチュア)が完成!

3Dプリンター出力を終え、ミニチュアがあこが完成・・・と思ったら何やら白いもので覆われている?3Dプリンターは積み上げ式で作成されていくため、浮いている部分は補強部分ができてすぐに完成、ではないのです。があこは尻尾の部分や顔の部分が浮いているのでなかなか手強い補強部分ができてましたが、今回は参加者の方にプロがおりましたので、しっかり外してもらい、ミニチュアがあこが完成しました!

があことがあこの撮影会!そしてがあこに今回は直接触れることもできました

3Dがあこと本物があこの記念撮影会。今回はがあこに触れることも許され、みんな記念撮影の列ができました!があこを両手で抱き上げると可愛さ倍増。そしてがあこ(ミニチュア)もなお可愛く見えてきます!このように文化財に直接触れることはかなり貴重であり、稀な機会で、実際は触れることはできないことがほとんどですが文化財の3Dデータさえあれば、プリンター出力することでミニチュア版には触れることができますよね。裏側を見ることも。せっかくのデータ、今後も活用していきたいですね!福岡市の文化財3Dデータはオープンデータにしていっているとの話もあったのでぜひ活用していきたいですね!

があこ退館、イベント終了

最後はがあこの退館をみんなで見守ってイベント終了です。今回のイベントに向けてできたがあこの部屋(という名の箱)に入れて、帰っていきました。そして、現在があこは令和5年度学芸員実習の成果展として、福岡市埋蔵文化財センター第3展示室で展示されています。(1月上旬まで)

最後に、今回のイベントの様子はグラフィックレコーディングでも確認いただけます。テクノロジーを使うときのデータ選択肢として文化財データを使う人たちが増えることで文化財が身近になったり、逆に今回の福岡市史跡整備活用課のように文化財に詳しい人がテクノロジーを自ら使うことによってより良いデータが作られるような連鎖が生まれるといいですね。

 

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