様々なプロトタイピングで、3Dプリンタは欠かせないものになってきました。第5回は、エンジニアカフェに導入された3Dプリンタについてです。
3Dプリンタの行う加工は付加加工とも言われ、3Dデータの断面形状を1層ずつ付加させて立体物を造形するものがほとんどです。
その中でも一般的な光造形法、粉末積層法、熱溶解積層法の3つについて簡単に説明します。
光造形法は、紫外線で硬化する液体の樹脂を積層していく方式です。
樹脂の固まりやすい波長に調整した紫外線レーザーやプロジェクター、液晶&紫外線バックライトパネルなどを用いて断面形状を1層ずつ硬化させていきます。
最も初期から存在する手法でかつては機材や材料も高価でしたが、最近は5万円を切る安価で高品質なモデルも出てきています。
粉末積層法は、薄く広げた粉末をレーザーで焼き固めたり、接着剤で固めたりすることで1層ずつ積層していく方式です。金属系の材料や、フルカラー印刷などに対応しているモデルもあります。
造形物を未硬化の粉末が支えることが出来るのでサポートと呼ばれる支えの形状で悩むことが少ないですが、粉末の再利用や湿度の調整、レーザーの管理などが大変で、大規模なプロトタイピングで使用されることが多く、家庭向けの機器は多くありません。
熱溶解積層法は高温で溶かした材料を積層し、冷やして固めることで層を重ねて造形する方式です。材料に利用されるのは多くの場合熱可塑性のプラスチックです。基本特許が数年前に切れたこともあり、10万円以下の安価な3Dプリンタブームの中心になりました。
材料も比較的安価で強度もそこそこ確保できるので、様々なプロトタイピングに向いています。エンジニアカフェに導入されたのはこちらの方式です。
3Dプリンタについて、一時期、「なんでもつくれる夢の機械」であるような宣伝もありました。
金型や治具を必要とせずにある程度の機能をもった部品が手に入る環境は、一部の人にとっては「夢の機械」でした。
しかし、生産コストが生産量によって大きく変わらない特徴があるため、大量生産するほど生産コストが下がる他の方式とは違う活用が求められます。例えば、他の方式では非常に高コストになりがちな試作・実験段階での利用や、個々の事情に合わせた一点ものの医療機器、高コストでもよいので既存加工で不可能な超高性能を目指す航空機部品などです。
エンジニアカフェでは、様々な分野で日々繰り返されている物質的な試行錯誤ノウハウに接し、自分の手を動かして追体験し、自分の用途に沿ってなにかを生み出す体験をエンジニアの方々に提供したいと思っています。
Afinia H+1
https://afinia.com/3d-printers/h-plus-1/

・操作が非常に簡単で直感的
・温度設定など自分のプロジェクトに合わせて設定をカスタマイズ可能
・フィラメントの種類(PLA/ABS/TPU)に合ったプリントヘッドで安定した造形が可能
・停電後の造形復帰
・フィラメント切れ警告
・PCを常に接続する必要が無い
現在、ご利用いただけるよう、ルールの策定を行っています。
早期に公開できるように準備していきますので、もうしばらくお待ちください。