Horizon Workroomsとは
Facebookが開発した「ビジネス会議用VR」システムです。
ハードウェア部門などを担当する子会社であるFacebook Technologiesが開発しました。
Oculus RiftなどのVRヘッドセットを開発してきたのはOculus VRという独立企業でしたが、Facebookから買収された後、Facebook Technologiesの部署に移管されています。
Horizon Workrooms – Remote Collaboration Reimagined
https://www.youtube.com/watch?v=lgj50IxRrKQ
エンジニアカフェでのHorizon Workroomsの活用
エンジニアカフェではいち早くこのシステムに注目し、今後様々な活用が出来ないかを模索していくことにしました。
今回は第一弾として使い方とYouTube LIVEへの配信方法についてまとめてみました。
今後もHorizon Workroomsを利用したイベントの開催や情報を発信していきますので、一緒にこのシステムを注目ください!
尚、YouTube LIVEの配信を行ってみましたので、実際の配信の様子を伺いたい方はこちらをご覧ください。
今後予定しているイベント
以下の様なイベントを今後workroomsで実施予定です。
- Oculus Workroomsで学ぶRuby
- LT会
Horizon Workroomsの主な機能
Horizon Workroomsには、今までのオンライン会議などで、「あれば良いな!」と思っていた機能が一通り揃っています!
デスク、コンピューター、キーボードをVRに持ち込む
- リモートデスクトップとしてPC画面をVR空間に出現させられる
- 対応キーボードはキーの位置と指がVR空間内で確認できる
固定のバーチャルホワイトボードでチームメンバーと協働する
- 席から立って書ける大きな仮想ホワイトボード
- デスク上に書ける小さなホワイトボード
- 画像も追加可能
- コントローラーを逆さに持ち、取っ手部分をペンのように持って書く
画面、ミーティングのノート、ファイルをVRでシェアする
- PCの画面共有可能
- チャットつきのノート、ファイル、リンクの共有
- 期限付きチェックリスト
バーチャルルームのレイアウトをニーズに合わせて設定する
- 議論の構成などにあわせて席のレイアウトを変更出来る
スペーシャルオーディオ、表情豊かなアバター、ジェスチャーコントロールで、お互いの存在を感じる
- 座っている人との距離に応じた話し声の立体的で自然な音量調整
- 強いノイズキャンセリング
- 反応の良い口パク
- 腕や指の動きを詳細に反映するジェスチャー
- 退席中には目を閉じるなどわかりやすい
OutlookやGoogleカレンダーとのカレンダー同期機能を使って、VRでのミーティングのスケジュールを設定する
- ミーティングの予定をOutlookやGoogleカレンダーと同期可能
VRミーティングにウェブブラウザーのビデオ通話で参加する
- VRヘッドセットを持っていない人もミーティングに招待可能
Horizon Workroomsについての説明
https://support.oculus.com/348012543723630
必要なもの
Oculus Quest 2を持っていると最大の機能を体験できますが、持っていなくても、ブラウザからビデオ通話でミーティングに参加できます。
VR空間内にアバターとして参加する場合
チームで最初にWorkroomアカウントを作成する場合
- Oculus Quest 2
- PC(Windows or Mac)
※Apple M1搭載のMacは現時点でリモートデスクトップに対応していません。
Workroomsのミーティングに招待されてビデオ通話で参加する場合
あると便利なもの
対応キーボード(以下の対応キーボードを使うと、VR空閑にキーボードを持ち込むことが出来る)
Horizon WorkroomsのVRでキーボードを使用する
https://support.oculus.com/213777083904143
広い部屋
PCの周りが片付いた机
大きな外部ディスプレイ
- OBSなどで切り抜いて配信する時はこちらに表示する
一般的なセットアップ
以下、初めて使う人のために、様々なセットアップ手順を記載しています。
必要なところを参照してください。
アカウント作成
https://www.oculus.com/workrooms/
右上の登録ボタンから登録をすすめる。
メールアドレスの認証を済ませた後、新しいWorkroomsチームを作る場合は以下のボタンを押して登録を進める
※既存のWorkroomsチームに招待してもらって参加する場合は不要
VRヘッドセットをペアリング
VR空間内にアバターとして参加する場合や、チームで最初にWorkroomアカウントを作成する場合はVRヘッドセットのペアリングが必要です。
既存のWorkroomsチームに招待してもらってブラウザからビデオ通話で参加する場合には不要。
VRヘッドセットにHorizon Workroomsアプリをインストール、起動後に表示されたペアリングコードを、
PCブラウザ上で入力して、アカウントにVRヘッドセットをペアリングします。
リモートデスクトップの設定
Oculusリモートデスクトップをダウンロードしてインストールします
https://www.oculus.com/desktop/
インストールが完了したら起動し、VRヘッドセットと紐付けたいアカウントでログインしたブラウザを開いた状態で、「Continue with Workrooms」を押す
VRヘッドセットと紐付けたいアカウントであることを確認して、
「Oculusリモートデスクトップにログイン」を押す
ポップアップが表示されるので、「Oculus Remote Desktopを開く」を押す
成功すると、AVAILABLE DEVICESのところにVRヘッドセットが表示される。
(少し時間がかかることもある)
(参考)Horizon WorkroomsのVRでコンピューターを使う
https://support.oculus.com/articles/facebook-horizon/getting-started-in-horizon-workrooms/use-computer-in-VR/?locale=ja_JP
以降、VRヘッドセット内のアプリのガイドに従い、バーチャルデスクなどの設定を行って下さい。
※PCによっては接続がうまくいかない場合があります。筆者のThinkpad T490(Win10 Pro)もしばらく認識しませんでしたが、何度か再起動していると認識するようになりました
※Apple M1搭載のMacは現時点でリモートデスクトップには対応していません。
PCから参加する場合
招待リンクを開くか、Workroomsチームを開いて「Workroomに参加」を押す
以下の様なウィンドウがポップアップするので、「ルームに参加」を押す
オンラインイベントで配信するには?
今回の記事の本題である、VR空間で行われている会話を、YouTube LIVEに配信する方法について解説します。
今回は、ブラウザから参加した画面を切り抜く方法で配信します。
配信用アカウントをもう一つ作る
VRアバターとビデオ通話に同時に参加することは出来ないので、もう一つ配信用のアカウントを作ります。
別のPC、もしくはセッションが別のブラウザでそれぞれのアカウントを開き、同じWorkroomチームに配信用アカウントを追加します。
そして、配信用アカウントでログインしたブラウザから「Wrokroomに参加」を押してルームに参加する。
テーブルにはVRヘッドセットから参加したユーザーが座っていて、中央下にあるカメラがブラウザから参加した配信用アカウントです。
※Workroomにブラウザから参加しているウィンドウは、他のウィンドウの後ろに隠れたりすると表示が消えることがあります。最前面に置いておきましょう
※大きい外部ディスプレイを接続して表示しておき、そこを切り抜くことをおすすめします
OBSで画面をキャプチャして切り抜く
画面を切り抜いてYouTube LIVEに送信するため、OBS studioを使用します。
OBS studio
https://obsproject.com/ja
インストール後に起動し、左下の「ソース」ウィンドウの下にある「+」を押して「ウィンドウキャプチャ」を選択
OKを押します
配信用アカウントで参加しているブラウザウィンドウを選択します
今回は、このブラウザから参加している画面のうち、VR空間が移っている部分だけを切り抜いて、画面いっぱいに表示してからYouTubeに送信したいと思います。
まず、下図の緑の領域をカットして、赤の領域だけを取り出します。
中央のVR空間の部分(上の図の赤の部分)だけ切り抜きたいので、WindowsはAltキー(MacはOptionキー)を押しながら輪郭上にある赤い点をドラッグします。
こんな感じで切り抜かれます。
YouTubeの画面で表示されるのはこの一番黒い画面の領域なので、
画面いっぱいまで拡大したいですよね。
左下のソースウィンドウの「ウィンドウキャプチャ」を右クリック→変換→画面に合わせる をクリック
画面いっぱいに表示されました
座席レイアウト
3種類の席配置があり、席数は参加人数にあわせて増減します。
上記のスクリーンショットはすべて「デフォルト」です。
イベント配信時のオススメは「スレッド」です。
「プレゼンテーション」を選びそうになりますが、これはブラウザから参加しているとホワイトボードなどが見えないため、配信には向きません。
YouTube LIVEの設定
YouTubeにログインし、右上のカメラアイコンを押して「ライブ配信を開始」を選択
左のメニューから「管理」を選んで。右上の「ライブ配信をスケジュール設定」を押す
視聴者やタイトル、詳細、公開範囲などを設定すると以下の画面が出てくるので、ストリームキーの横の「コピー」を押して、ストリームキーをクリップボードにコピーする
OBSに戻り、右下にある「設定」を押す
「配信」タブを開き、サービスで「YouTube」を選択、ストリームキーの欄に先ほどコピーしたキーを貼り付けてOK
OBSトップ画面に戻り、右下にある「配信開始」を押す(この時点ではまだ公開されていません)
YouTubeの設定に戻り、左上のプレビュー画面に映像が出ているのを確認して右上の「ライブ配信を開始」を押す(この時点で外部公開されます)
動画リンクは右上の矢印アイコンをクリックすると現れる以下のウィンドウからコピーできます。
まとめ
Workroomsは現時点でOculus Quest 2限定ですが、噂されている次機種などではどのように体験がアップデートされていくのか、とても楽しみにしています。名前に「Horizon」を冠しているところから、アメリカでβテスト中のVR SNSの一部となっていく可能性もあります。引き続き情報収集していきたいですね。
Horizon Workroomsは、記事初出の時点ではベータ版です。今後、機能や規約などが大きく変更になる可能性があります。その変更に伴ってこの記事もアップデートしていく予定ですが、内容を参考にする場合はその時点での最新情報を各自で確認してください。
エンジニアカフェでは、これからもエンジニア同士の交流を促進するため、オンラインイベントをアップデートしていきます。新しい使い方をどんどん試していきます。乞うご期待!