「第1回 福岡インディーゲームサミット」のレポートを、全6回にわたってお送りします!
今回はvol.3です。
レポート目次
福岡をインディーゲームの聖地に! – vol.1
同人ゲームサークルが12年間いろいろ頑張ってきた話 – vol.2
海外クリエイターへのインタビュー – vol.3
インディーゲームを作って生きていく為のヒント – vol.4
インディーゲームとマネジメント – vol.5
まとめ – vol.6
海外クリエイターへのインタビュー
『SUPERLIMINAL』の Pillow Castle Gamesさん
https://store.steampowered.com/app/1049410/
5人チーム編成で、それぞれ異なる経歴のプロ集団。チームの良いところは一緒に考え一番良い選択をすること。2014年に開発を開始し、2019年に発売を開始されたそうです。予算はパブリッシャーから声をかけてもらって契約。リリース6ヶ月前にPRマーケットカンパニーと契約してゲームの宣伝をしてもらった事で成功につながったそうです。
「任天堂スイッチなどのゲーム機への移行はとても困難だった。ゲームで生計を立てることは大変難しいと思う。もしゲームを作りたいだけだったら、ゲーム会社に務めることをおすすめします。
自分は運が良かった。全部一人でやらないで、誰かを探して体験を共有するのが大切です。もし何かのきっかけでインディーゲームを作るのであれば、3年生き残ることを目指しましょう。
それはとても難しいことです。だから全部の問題をひとりで解決しようとしないで仲間を見つけることはとても大事。」
インディゲーム業界の厳しさを物語るエピソードとして、初期メンバーは現在ひとりしか残っていないとのこと。厳しい世界だ…
会場でチーム開発をされている方に挙手していただいたのですが、とても多くの方がインディーゲームをチーム開発をされているようでした。
『ROGUE TOWER』の Die of Death Gamesさん
https://store.steampowered.com/app/1843760/
小さい頃から音楽をやっていて、学生時代にひとりで開発したゲームをリリース。最も困難だったのはアート部分で、デザイナーではない自分でも作れて、見栄えがよいアセットを作るのが大きな課題だったそう。
あえてリアルな動きとは異なるアニメーションにする工夫をして特色をだし、開発には約6ヶ月掛かったそうです。個人制作なので費用もほとんどかからず、大きい予算としてはSteamにリリースするのに100ドルかかったぐらいとのこと。
「大学を卒業したばかりで実家に住んでいたので、生活費の心配がなかったのが幸いしました。ゲームのアイデアを考える時にゲームの進行を数式で表し、プレイヤーがいずれ負けるように、バランスをリセットしたり、進行の途中でバランスがよくなるように調整したりを工夫しました。何よりフィードバックが多かったのがよかった。もちろんネガティブな意見もあったけど、もらったフィードバックの視点から、それをどうしたら解決できるか考えたりしました。」
自分の経験は普通ではないと前置きしてアドバイスはYoutuberが遊びたくなるようなゲームを作ることだそう。いくつか実装する予定だった部分もあえて実装しなかったり、Youtuberが配信しやすいツールを作ったり、配信者向けにゲームをデザインすることと、根本的にユニークになるように心がけたそうです。
「マーケティングの視点からゲーム制作を見ることはとても大事。日本のインディーゲーム開発者に言いたいのは、ゲームは国は関係なく誰でも楽しめる珍しいものなので、言語の壁が課題になるとは思いますが、しっかりしたゲームを作れば大丈夫!」とのこと。
会場の皆さんも色々なフィードバックをもらうと思いますが、ゲームバランスとフィードバックはとても大事なんですね。実際にVTuber(配信者)さんの意見が聞けたのも良かったですね。
ここで5分休憩・・・
『Windermyth』の Worldwalker Gamesさん
https://store.steampowered.com/app/763890/
ゲーム市場で売れると確信してからメンバーを追加。大きく困難だったのは引っ越しして友達がいなかったことだそう。あとシナリオの作成も、最初ファンタジーで作ってもらったけど満足しなくて、妻、兄も加わりストーリーテリングを学んだそうです。
「ラッキーなことに最初からお金はあったのですが、開発がチーム内で終わるように工夫しました。宣伝については戦略ゲームが好きな配信者を探したり、ゲームの表現をできるだけ豊かにしてカスタマイズできてユニークな体験をしてもらうようにしました。
Discordで良いコミュニティができているので、直接ユーザーに尋ねることができていて、それでゲームバランスを調整したりしています。
任天堂などの日本製のゲームが好きで小さい頃から遊んでいましたが、日本の開発者がコミュニティと接触できる環境なのかは存じ上げませんが、コミュニティとの関係は大事です。」
SNSやゲームイベントに参加してコミュニティが大きくなるように工夫したそう。
「ゲーム業界での経験が長いので自分には必要なかったけれど、状況によってはパブリッシャーを探すのも必要かも。でも自分でやることで、パブリッシングに関するノウハウも蓄積できるので自分でやったのは良かったのかも。」
奥さんや兄弟と一緒にゲーム開発・・・・7年かけてる開発することができた財力・・・インディーゲーム開発者にとってはとても羨ましい話ですよね。
『Twelve Minutes』の Luis Antonioさん
https://store.steampowered.com/app/1097200/
業界経験が豊富で、タイムリープのアイデアをゲーム化したとのこと。会社ではできなかったアートデザインができる!ということで、インディーゲームの世界へ。
プログラミングを学びながらチームを作ったり、様々な困難にひとつずつ立ち向かうのはとても大事とのこと。開発期間は5〜6年。デザイナーの仕事をしながらのスケジュールの管理では、ゲーム開発は自分が思っているより2倍かかると思っていた方がよいとのこと。
あとコストを抑えること。ゲームのプロトタイプはゲームが80%開発できている段階で出したそう。予算については初期はマイクロソフトのXboxプログラムに参加することで資金を得ていたらしい。プロトタイプをプレイしてもらって記事を書いてもらい、ゲームの難易度や進行のペースなどはフィードバックをもらながら調整したそう。
「自分のようなインディーゲーム開発者を見つけたり、イベントに参加して助けてくれる開発者に出会いましょう!失敗を犯さないように人間関係から教訓を得ましょう。制作を楽しむことが大事です。多くの開発者はマーケティングの予算を考えていないことが多いので考えておきましょう。」